「118」
釣り師&シーマンの誰もが電話したくない番号ですが、緊急時には最悪一歩前の状態で
通報しなければならない
海上保安庁。
5分の遅れが生死の別れ目になる事は皆さん十分承知していると思います。
とは言え何でもかんでも118に電話する訳にもいきません。
そこら辺の傾向と対策シミュレーションを一度考えてみようと記事にしてみました。
単独で解決できる危機か?
仲間同士なら解決できる危機か?
問答無用で118番へ即電話か?
考えられる範囲で緊急状態は大きく分けて4つかと
(カヤックフィッシングを前提で考察していますが、小型ボートにも当てはまるかも)
1 何らかのトラブル等で航行不能になった(自身は艇の上)
例えば
1-1 パドル(モーター)を損傷
1-2 艇が損傷 (他の船と接触、または座礁して大量浸水等)
1-3 自身が怪我、あるいは体調不良等で動けない
1-4 海洋生物に囲まれた
1-1 パドル(モーター)を損傷の場合
予備パドル等がスムーズ取り出せれば問題無し、無くても岸がすぐ近くなら半分で何とか漕いでみる
同行の友人が近くに居て連絡が付けば、牽引してもらいましょう。
いずれも該当しないなら
118
1-2 艇が損傷の場合
周りに他の船が居れば助けを呼ぶ、近くに上陸出来そうな損傷ならやってみる。
いずれもダメなら
118
1-3 自身が怪我、あるいは体調不良等の場合
怪我や症状の程度によりますが、動けないレベルなら
118
ここは判断が難しいので出来れば医療知識がある方に追記やコメントをお願い致します。
(トリプルフックの返しは出来れば潰しておきましょう)
(魚を〆る道具はナイフよりハサミの方が安全かも知れません)
1-4 危険な海洋生物に囲まれた場合
個人的には経験が無いのですが、このケースしばらく待ってみるのが良いかも知れません。
怒らせないように、そぉーと行動しましょう。
でも改善せず攻撃を受けそうな場合、やはり
118。
(有名なシャチの動画とか洒落になりません)
2 何らかの理由で落水して艇に戻れない(自身は水の中)
例えば
2-1 再上艇が元々出来ない。 (練習しましょう)
2-2 リード等が絡まって身動きが取れず艇に捕まっている。
2-3 体は自由だが艇は流された。
2-4 水温が低い季節に保温スーツは着ていない状態
2-1 再上艇が元々出来ない場合
岸に近ければ、艇にもたれかかって岸まで泳ぐ。
可能な限り艇の邪魔な荷物を一旦捨てて、バウかスターンから跳び箱に乗るように手で
艇を押さえつけて叉の下に入れて再度 上艇トライする。
仲間が近くに居れば二艇+パドルでH型や井型を作り落水者を挟み込んで、再上艇を試みる。
再上艇出来なくても、掴まって引っ張っていってもらう。(最悪 艇は捨てる)
岸も遠い、仲間も居ないとなれば
118
2-2 リード等が絡まって身動きが取れない場合
仲間に連絡を取りつつ、リードの切断を試みる。(パニックにならない事が大切)
ダメなら上記2-1の対処に同じ
2-3 体は自由だが艇は流された場合
泳いでも艇に追いつかない場合、一番近いと思われる仲間に緊急連絡。
118では間に合わない可能性も高い、笛など身につけていないと発見は難しい。
最近、刺し網のブイに掴まって海保が来るのを待った話を聞いた事があります。
2-4 水温が低い季節(12月~4月)に保温スーツは着ていない状態場合
まずは仲間に即連絡、そして
緊急事態を認識する。
*この場合、再乗艇できないと
死亡する可能性が高いので簡単に諦めず再乗艇を試みてください
ゴツイ上着は水を吸って凄く重くなるので可能な限りライフジャケットとパトル以外の
身に着けている重量物と艇の邪魔な荷物を一旦捨てる。
バウかスターンから跳び箱に乗るように手で艇を押さえつけて叉の下に入れて上艇を試みる。
ダメなら
118に電話するが、時間はあまり残されていないと思う。
仮に再上艇が出来たとしても低体温症になる危険性があるので、1-3に順ずる。
追記:ウェーダーを履いている場合は、更に事態が悪化します。
大量の水が入って凄く下半身が重くなりますし、泳ぐ事も上艇も困難です。
足の下部の生地を切ると良いと考えますが、そんな事がこの事態に陥って出来るのか
疑問です。
カヤックや小船での
ウェーダーの使用は避けたほう良いと考えます。
3 流されて、自力で戻れない
例えば
3-1 強い陸風で流された
3-2 強い潮で流された
3-3 強い波で進めない
このケースは仲間を呼んでも二重遭難、または仲間も自分の身を守る事で
手一杯の可能性が高いので、
仲間への連絡は役に立たないかも知れません。
3-1 強い陸風で流された場合
波が低くて天気予報等で風が好転する自信があるのであれば、待ってみるのも在りですが
岸が遠く、全く進めない時間が一時間以上続く場合、118を考えてください。
体力の限界を感じたら即時
118
3-2 強い潮で流された場合
潮に流された場合、基本的に沖へ動く潮はそう長くは無く、途中で陸と平行に
流れるケースが多いです。 出来るだけその場に留まる程度の軽いパドリングで耐えて
体力を温存し、潮が緩んだら出艇とは違う場所への上陸も視野に入れてまず陸を目指す。
最後の手段は
118。
3-3 強い白波で進めない場合
波のリズムを読んで、上る時はカヤックを安定させ、落ちる時には漕ぐように。 (艇と体のホールドを第一に)
それが辛くなって来たら、荷物を捨てて艇を軽くして漕ぎましょう。
寄港より上陸可能地を最優先に考えつつ、出来るだけ波に対して艇を90度にして進みましょう。
真横に波を受ける事は可能な限り避けてください。 (着岸地が横波を受ける時は一旦通過してL的ではなくレ的に斜めに入る)
艇を波に垂直にして漕ぎ続けなければ転覆するので、高いスキルと体力、恐怖に勝つ精神力が必要です。
諦めを感じるほどなら、おそらく
電話すら困難ですので、慎重かつ急いで
118
3-1.3-2.3-3は連動する事が多く 一般的に
遭難するとしたらこれなので海況には、くれぐれも高い意識をもって対応しましょう。
4 帰る場所、もしくは方向が分らない
4-1 天候不良等で岸の方向が分らない
4-2 似たような景色で、どの場所から出たのか分らなくなった
4-3 ナイト出撃でライト故障
4-1 天候不良等で岸の方向が分らない場合
まず方位を確認して仲間に連絡を入れましょう。
海中地形を把握しているなら魚探の水深や瀬の形でである程度位置を掴めるかも知れません。
天候不良の場合、二重遭難のおそれがあるので、仲間はあてに出来ません。
いずれも上手くいかなく、待っても状況が好転しなければ
118
4-2 どの場所から出たのか分らなくなった場合
意外によくあるケース。(私も経験アリ)
これも仲間に連絡して、景色等の現在位置を伝えます。
ホームの仲間が居ればおおよそ見当が付く筈です。
どうしても分からない時は、可能な場所で一旦上陸して体力を戻しましょう。
4-3 ナイト出撃でライト故障の場合
ナイトでは予備のライトは絶対持っていく事。
とりあえず仲間に連絡、おそらく位置確認用の点滅灯は作動して居る筈。
安全に着岸できるまで同行してもらいましょう。
単独の場合は、目を凝らしてやるしか無いです、怖いですが頑張りましょう。
ナイトとは云え、ポイントは闇の海では無い筈ですよね。
以上、 中初心者の方は多くの事が心に引っかかる筈です。(私もひっかかりまくり)
経験や装備や仲間は初めは乏しいですよね。
迷ったら「
118」
恥より命です。
参考までに
私の考え得る、明日にでも起こりそうな最悪の事態とは
① 単独で
2の状態 (
118可能)
② 単独では無いが
2の状態で、携帯が故障 (
118不能)
③ 単独で
2の状態+携帯が故障 (
118不能)
④ 海上で意識を失った(思考力を失った) (
118不能)
⑤
3の状態から状況が悪化した(
118不能の可能性あり)
最後に 同行の仲間が連絡も取れず行方不明になった (
118可能)
上記の場合、三途の川を別の船で渡る可能性が高いと思います。
これらが起きてしまった場合、私には有効な対策が見つかりません。
こうならない為には....スキルアップやキャリヤを積む事も肝要ですが
先ずは
信頼できる仲間と、信頼できる
防水装備の携帯等の安全装備を、
出来るだけ早く用意しましょう。
以上、これはあくまで私のシミュレーションですから、
実際にはもっと厳しい状況が予想されます。
私のような未熟者よりカヤックスキルの高い方に、追記や記事を書き直して頂く事を期待します。
安全第一で良いGWを (・∀・)