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2009年12月30日

09ターポン120 インプレ

今年、09ターポン120の新艇を購入して、それなりに乗ってきました。
元々の購入理由は他の艇と比べて国内では費用対効果が高い事(アメリカでは普通のコスパ)
それにおそらくこのターポンが今後の釣り用カヤックとしてのスタンダードとなるであろうと
予想できまして実際、当地では圧倒的に数が多いです。

この艇についての記事は多くの釣りカヤッカーの参考になるだろうと考えまして決めました。
(買う時は衝動的でしたが 笑)


初心者に毛が生えたような自分なので、インプレに随分時間が掛かりましたが
他の艇乗りの意見や、自分で持っている艇と比較してインプレ等記事を書いて見ます。


① 身体計測 

全長 (カタログ値は373cm)
09ターポン120 インプレ

09ターポン120 インプレ
実測 370cm


全幅 (カタログ値は76cm) 
09ターポン120 インプレ
壁を利用して測定

09ターポン120 インプレ
持ち手の所で73cm

09ターポン120 インプレ
シート後で 実測74cm (ここがおそらく一番太い)



重量 (カタログ値 29kg)

09ターポン120 インプレ
体重計を使用

09ターポン120 インプレ
(冬服を着込んだ)人間の重さ 83kg


09ターポン120 インプレ
そのままターポンを持ち上げて計測 112.5kg

(艤装でロッドホルダーを3本、スコッティのベースを1ヶ 他少々で合計1kgチョイ
標準より重くなってます、水分とかは分かりません)

112.5kg-83kg-1kg=28.5kg    




Length(長さ): 12' 3" / 373 cm     370cm
Width(幅): 30" / 76 cm        74cm 
Max Capacity(浮力): 350 lbs. / 159 kg    私では測定不能
Deck Height(高さ): 13.75" / 35 cm     未計測
Weight(重さ): 67 lbs. / 30 kg       28.5k 


殆どカタログに近いですが、実測は僅かに小ぶりです。
特に幅の74cmは重要な部分ですね。(思ったより速いのはその性か)
それと薄々感じていましたが、カタログ値よりチョット軽い
これは単純に良い事ですね。




② 艤装、使い勝手編

これは09ターポンの得意とする部分です。

まず定番ロッドホルダーを取り易く邪魔にならない後ろの箇所に4箇所取り付け可能。
(私は写真の通り、3つ着けています)
前にも2本は詰めるので艤装次第で最大6本~は積んで出る事ができます。

09ターポン120 インプレ
09ターポン120 インプレ


サイドのスライドレールを利用すれば、更にタモや予備パドル等のかさ張る物を
固定する事が可能。

09ターポン120 インプレ


そして何より標準シートが素晴らしい。
多くのターポン乗りが云う様にシートは他のカヤックより特に優れた部分です。
09ターポン120 インプレ

細かな調整も可能で、やや浮かし気味に作ってあるので浸水もある程度避けられます。
このシートでお尻が痛くなった事が殆どありません。


フットブレイスも前の型から細かい調整が効くタイプが付いています。
できれば鋳型の造型より、この調整式タイプの方が微調整も出来、踏ん張りも効いて、
蹴っ飛ばせると思います。


風に対して有効な別売り「ラダー」を取り付ける時、内部にワイヤーを標準で施工済みなので
とても簡単に取り付けが可能です。(伝説のおやじコンビより聞きかじり)


またロッドの艇内収納も出す事は難しいですが、入れるだけなら多分可能です。
荒れた気味の着岸地点へのトライ時、役に立つかも。
09ターポン120 インプレ



船底がフラットなので艇の車載が裏表どちらでも可能です。
載せやすさを考えると表置きの方がラクチンです(走行時 風きり音に注意)
軽くは無いですが、持ち手が4箇所しっかりしているので、以外に積みやすいです。



あとはクーラーBOXのスペース
このサイズの艇ではかなり広い部類に入ります。

09ターポン120 インプレ

09ターポン120 インプレ
シマノ スペーザ24L クーラーがベストマッチ、ストクラドーリー2も同時搭載可能





③ 操作、走波編
ターポン以前はトライヤックと云う、大きく安定性がある艇と小型のリジット艇プロ10に乗っていました。

ターポンを漕いで見て最初に思った事は喫水の低さです。
ターポン的デザインの艇はしかたないのかも知れませんが、水抜き穴からの吹き出す水量は
ハンパ無いです。(付属で穴の栓が標準装備されています、コクピットは一箇所を少し開いて後はすべて栓をしています)
09ターポン120 インプレ
水抜き穴 (ドリルは関係ありません)

そして次に感じた事が、安定性の高さ&直進性の良さ、静水時のスピード

いわゆるスベリ系 フラットボトム(ハル 船底)なので、沈の不安要素のロールに対してかなり抵抗力があります。
また、進む時は(ラウンドボトムと比べると)進行方向への抵抗は少なくスピードは出るようです。

前後キールは効いていますが、それほど全長が長くないので方向展開は比較的容易です。

***安定性に関する事で09ターポン120も横座りがイージーに出来ます。
そのまま全力でジギングができるかといえば、少々不安はあるレベルですが....
「はじけようさん」によると前型のターポン120ではちょっと難しいらしい***



09ターポン120 インプレ
バウ側ハルデザイン (写真の遠近法によってちょっと強調されています)

この部分はデザインするにあたり非常に重要だと思います。
ターポン120のそれは、かなりキールを強く、長く作ってあります。


ちなみにトライヤックはこう

09ターポン120 インプレ
それほどキールをつけていません。


ここが尖っているほどスピードが出ると思っていらっしゃる方も多いようですが、
ちょっと違う筈です。

私の考えですが、デザイナーとしては、ここ本当はトライヤックのようにしたい。
でも直進性や走波性の関係で難しい。

ここのキールを強く長く作るという事は体積は少なくなる、つまり浮力が減ります。
バウの浮力が少なくなると波に対して追従性が悪くなる、簡単にいうと刺さりやすくなる。


この部分は09ターポン120の弱点のひとつだと思います、結構波に刺さります。
刺さるとスピードが一気に落ちますし、艇内へ水が飛び込んでくる事もあるのでダメですね。



これに起因してもうひとつ不具合があります。

それは魚探の振動子の取り付け方によるものなんです。
 09型から開閉が容易なハッチが標準装備されました、このこと自体は良い事なのですが
魚探の振動子を艇内に納めるのに、最も簡単な方法が このハッチサイドに切り込みを入れ
 ここから配線を通す訳なんですが、このとき穴の処理がマズイと先ほどの波に刺さった時、
水がハッチの上を通過して、配線の穴を通って艇内に漏水します。
 
09ターポン120 インプレ
私のターポンでザブザブ波に半日で、およそ500cc前後は入ると思います。

ココ以外にはあまり漏水箇所はないので、この施工は多少工夫された方が宜しいかと。


話がやや脱線しましたが、ギザギザ波を前から受ける状況は苦手な艇だと思います。
(荒れ気味の時はトライヤックの方が速いです。)

参考
後斜め方向から波に追い越される状態は以外にも良いんです。
(トライヤックが大の苦手とする状態です)




 最後に
もし次のモデルチェンジがあるとするならば、望む改良は

1.トライデントやトライヤックの様に魚探の振動子を水中にセット出来る様に
2.又の間のハッチは、魚を始末する為もっとレバーをフラットに
3.走波性をもう少しだけ上げてもらいたい

これだけです。


ウェルダネス社 ターポンシリーズサイト





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この記事へのコメント
すごい分析されてますね!
メーカー公表値/実測値の検証も面白いです。
ハルデザインもオーダーメイドできたら面白いでしょうね(笑)
Posted by ストクラ at 2009年12月31日 00:05
こんばんは。

昨夜は楽しかったですね!!
ターポンインプレ、かなり突き詰めてますねぇ。

バウデザインは若さんと一緒に語ると長くなりそうですねぇ。
コロナ・・・バウ形状、再成形なんて考えもしましたが
ちょっと怖くて出来ません。やっぱターポンが
良いですね!!! いつかはターポン120!
Posted by hatz at 2009年12月31日 03:49
若さん、こんにちは!!
素晴らしいインプレですねぇ〜!!
このインプレを読めば、ターポンのことが全て分かるぐらいの勢いですね(笑)
若さんのはアングラー艇でしたっけ?ノーマル艇?
アングラー艇とノーマル艇って、ロッドホルダーの有無だけでしたか?
Posted by らずくん at 2009年12月31日 07:26
ストクラさん
測定値、あんまり違わなくてやや拍子抜けでした。
トライヤックなんで全然違う寸法でしたから^^;

ハルデザインは素人なのでムリですか、表側のハッチの位置とか種類は
できそうな気がします。



hatzさん
のど枯れ、すっかり治りました(^^)v

ターポンは自分が持っているので、違う艇だと興味深いのですわ。
例のショップの140なんか如何ですか?
トライデンドとかイイらしいですよ。
来年はモーケン12も入ってくるだろうし...



らずくん
アザースm(__)m
自分のはノーマル艇です。
この艇は艤装が容易でアングラー艇をワザワザ買う事もないでしょうし、
自信がない方もショップで安価にてすぐやってくれると思います。
アングラー艇はロッドホルダー2個とスコッティのベース一個プラスだったかな、本文のウェルダネスのリンクから辿れると思います。
Posted by at 2009年12月31日 09:36
先日は楽しいひと時を、ありがとうございました_(._.)_
いったい何艇目ですか(@_@;)羨ましい~~
来年も宜しくお願いします_(._.)_
Posted by イカヤンイカヤン at 2009年12月31日 11:39
イカヤンさん
忘年会、こちらこそありがとうございました。
テトラの上から話しかける男達は一体誰!? みたいな

平日釣行派のイカヤンさん、どうですか、こんなの一艇!?
Posted by at 2009年12月31日 12:13
若さんこんにちは。

インプレを見てみると・・・ターポン120とは優れた艇なんですね。今更ながらに実感しました(^_^;)

私も若さんのようにインプレできるよう、これから自分の艇と付き合っていこうと思います。
Posted by ナツ at 2009年12月31日 17:55
ナツさん
私もよく分かってない部分も多いのに、偉そうな事を書いちゃって^^;
09型のインプレはキッチリやってるサイトが無かったので自分でやっちゃいました。

評価の基準は色々だと思います。
例えばウェルダネス社によると2008年のカヤックマガジン誌で全米の読者が最も推薦するシットオンカヤックにターポン120が選ばれたそうです。
これがどの位権威ある賞なのか分かりませんが、カヤック先進国で何がしらの賞を取る事は良い艇のあかしだろう思ってます。
(2009年は存じません)
Posted by at 2009年12月31日 21:14
先日もお疲れ様でした!
120の細かいインプレと他艇との比較が出来るのは、
やはり3艇を乗りこなすテクと知識があるからなんでしょうね~
ワタクシなんかは経験が浅い上に、ちっこいの1艇なんで語ることも出来ませんわ(^^;
Posted by ム~ム~ at 2009年12月31日 23:04
実は泳ぎが苦手な私は怖くてカヤックに乗れません。
めっちゃ興味はあるんですけどね。
あと数分で年が明けます。
良いお年を!
来年は是非どこかでご一緒できればうれしいです!
Posted by このさん at 2010年01月01日 00:00
ALL
あけまして、おめでとうございます。
本年もどーぞよろしくお願い致します。<(_ _)>



ム~ム~さん
3艇持っているんですけど、テクと知識は怪しいもんですわ。
でも見たり聞いたりしてると、何となく解ってくるじゃないですか。
機会があれば120も乗ってみてくださいね。



このさん
>泳ぎが苦手~
そんな理由があったんですね、ありがちなのに滅多に聞きません。
ゴムボもそんなに変わらない気もしますが.....

自分もガキの頃はムチャしてましたけど、今は多分ムリなので安全装備を
キッチリつけて出かけるようにしています。
Posted by at 2010年01月01日 09:10
若さんあけましておめでとうございます!
先日は忘年会楽しかったですね~!ありがとうございました!
しかし翌朝若さんが持ってこられたルアー、あれで釣れる魚がサゴシの代わりに主流になってくれると嬉しいんですけどね~♪今年もよろしくお願い致します!
Posted by KAKO at 2010年01月01日 13:36
明けましてオメデトー御座います♪
本年もよろしくです!

人気のターポン!
実際にはぶっさんがもし買うならターポンでしょうが・・・・
なぜなら身近な人(はじけさん)が乗ってるから(笑)
しかしまぁ~、このメーカー値と実測の違いはなんでしょう?
さすがはウサ製と言ったところなんでしょうか(汗)
でも、船底ってそれぞれの艇で違うモンなんですね~(驚)
こりゃ、試乗してみない事には善し悪しなんて言える
もんじゃないと思いました!
Posted by ぶっさん at 2010年01月01日 15:32
KAKOさん
あけましておめでとうございます、本年もよろしく(^^)
ノッコミの時期はありかもしれませんよ、タイラバ。
飛距離はジグと大して変わりませんし、思ったよりフック絡みも無いし。
インチク系も多分イケますね。



ぶっさん
おめでとさんです、本年もよろしく<(_ _)>

寸法、重量などターポンはマシな方ですよ。
トライヤックは1割近いズレがありますし、重さも多分それくらい違う気がする。
他のメーカーでも重さが全然違うとかよく耳にしています。

艇底の形はカヤックの性能を決める重要なファクターでして、シットオンの場合、基本的には3~4種類です。 
それぞれ良し悪しがあって、これがベスト!! とは言い難い感じ。

それに大きさもあって出来れば準備も楽なコンパクトな艇で楽しみたい訳
なんですけど、海上では大船の方が安全かつ快適でありまして.....
車で言うと、軽バンとハイエースのような感じ!?
Posted by at 2010年01月02日 08:41
若さん 明けましておめでとうございます!
自分、ゴムボを購入するまで、こういったカヤックの存在を全然しりませんでしたw
もちろんカヤックフィッシングというカテゴリーもw
かなり憧れてるんですよねぇ
でも、自分はタンデム釣行が多いので、嫁のことを考えると、やはりゴムボという選択肢になってしまう気もしますw
今年は若さんにとって良い年でありますよう
今年も宜しくお願いします^^
Posted by がうじがうじ at 2010年01月02日 12:52
あけましておめでとうございます!! んんーーーすんごい分析。 ハルの計測と重量測定、私もやりましたが微妙に違ってました。 あれ、なんでかな?不思議です。 とにもかくにもターポンは絶対良い艇だと思います。 ポリエステル艇は水分含みますよね。500ccですか。 着岸後に一度重量測ってみてください。きっとぶったまげますよ!! 今年もよろしくお願いします!!
Posted by kamo at 2010年01月02日 20:01
がうじさん
流石、ツキを味方にする男は奥様思いですね。
我が家は嫁も娘もカヤックを持たせて、漕がせてみたいな^^;

今年は、がうじさんのブログへのカキコでツキが少しくらい廻ってくる事を期待しています。



kamoさん
いやいや、この程度しか書けません。
おやじAさんならもう論文モノですよ。

ところで ターポンはナツさんの所へお嫁に行ったのでは?
他にもターポンを持っているみたいな書き方なので?
以前に測ったって事かな。

水分を含むのは良く分からんのです。
現場へ測定器を持ち込む余裕は無いし....
ホントに重くなるのか、検証されている方っていらっしゃいましたっけ?
Posted by at 2010年01月02日 22:15
すみません。文章力不足で・・・。現在、ターポンはおろかカヤックもありませんよ。泣。今月末にはくると思いますが未定らしいです。 貧乏人ゆえ仕方がごじゃりませんな。 ポリ艇が水分をどんどん吸収する記事はサウスさんのフェニックス艇の長所のところに書いてありますよね。自分も海水含んだ状態で測ったことはありませんが、老骨で着岸後艇を抱えるとかなり腰にきます。
Posted by kamo120 at 2010年01月03日 09:19
kamoさん
早ければ今月末に来るんですか、何を買われたのか楽しみ ワクワク(^^)
フェニックスはめっちゃ軽いようで、軽さはとても大切と、以前から力説しておりました。 コンクリスロープで気を使いますが、その辺は補強するとか可能でしょうし。

持つ重さは20キロの壁と30キロの壁があるような気がします。
そして35キロを超えると成人男子でも単独ではかなりシンドイですね。
Posted by at 2010年01月03日 10:54
 
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